雨がしとしと降る夜は
胸の扉を想い出が
コツコツたたく音がする
そっと開ける音がする…
皆様、今晩は。
10年前の今時分、私は祖母の
入院している病院で、祖母との最期の
会話を交わし、静かに「その時」を
迎え入れる覚悟をしておりました。
心電図に託された祖母の命の鼓動が
やがて弱くなり、消えて行く瞬間を
たった一人で見守ったあの日の私。
母として、女手一つで育ててくれた祖母を
1人で介護し、1人で看取るという、
私なりの親孝行の気持ちを、恐らく
理解出来るのは、祖母本人だけでしょう。
ふと、最期の自分を思い浮かべた時に、
私も、愛する人1人だけに見守られて
死ねたら幸せだなぁと、思いました。
幸か不幸か、私には、子供も財産も
無いので、余計な心配も要りません(笑)。
たくさんの家族に看取られるなんて、
考えただけでも、私はゾッとしますね。
財産でもあろうものなら、自分の死後、
子供や孫たちが、遺産相続問題等で、
骨肉の争いになるかもしれないなんて、
考えたら心配で、成仏しきれませんもの。
ま、私には関係の無い事でござんす(笑)
父も、祖母も、目に見える財産は何一つ
遺してはくれませんでしたが、人として
生きる上での大切な愛を教えてくれました。
平成17年3月17日午前3時頃 祖母没
まさに、10年前の今頃です。
最期まで、私や周りの人々に感謝の言葉を
届け続けた祖母の温かく誇り高き人生を
今日という日に称えてやりたいと思います。