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菖蒲2












「子どもの日」から「大人の日」に、日付が変わる。

大人に成り切れていない人たちが立ち往生する心の日付変更線。

すくっと、そこに立てるのは、 もはや夏だけ。

めずらしく曇りだった今年の「子どもの日」は、
時代を象徴するかのように、鯉のぼりを意気消沈させた。

青空の下で元気よく遊んでいた子どもが、本当の大人になれた昔。

子どもがいない。 大人もいない。 青空も、見当たらない。

せめて、菖蒲湯に浸かりながら、
何もかもが輝いていたあの日々に、心の鼓動を戻そう。

そして、想い出の薫りを呼び起こすんだ!
 
遠い昔、銭湯にあった沢山の刀のような菖蒲の葉は、
その形に似て 鼻の奥をツンと刺激するほどの草いきれのように、
シャープな芳香を放っていた。

大きなバケツに入った菖蒲を手に取り、子どもたちは、次々と湯船に入る。

邪気を払って、無邪気に遊ぶ、子どもたちの声、声、声・・・

それを叱る大人たちの滑稽な賑わい。

活気に満ちた銭湯の湯気に包まれて、子どもがいた。 大人がいた。 
壁画ですら、本当の青空の温もりと、富士山の気配がした。

湯上りの「コーヒー牛乳」と「パンピー」は、大袈裟ながら
「遊び」という銭湯での戦闘を終えて、のぼせた(笑)子どもたちの
喉の渇きを癒す命の水であり、酸素のようなものでもあった。

銭湯の庭の池で泳ぐ鯉を眺めながら、火照った体を冷ます。

引き戸を開けて表に出ると、男の子がいるらしき家々の屋根には、
爽やかな五月の風に揺られて、そよそよと優雅に泳ぐ鯉のぼりが・・・

ああ・・・ 思い出すんだ!あの芳醇な「立夏」の薫りを。
貧しくとも、幸せに満ちていた光の日々を。

匂いのしない菖蒲の茎に鼻を押し当てながら、湯船に浸かる。
それでも、ほのかに子どもの頃の想い出が、漂い始めて来た。

平成26年の「子どもの日」は、地震のち、曇り時々雨のち「大人」。

そして、「夏立ちぬ」。

こいのぼり




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向こうに行く黒トラの猫に話しかける薄いグリーンの服を着た女の子










皆様、おはようございます!
今日は5月5日、こどもの日であり、立夏でもあります。
柏餅を頬張り、ちまきを齧り、菖蒲湯に入って、健康を願う…
大人であっても、今日は子供に還って元気に過ごしたいものですね。

吉祥寺で生まれた私は、子供の頃、ずっと銭湯に行っておりました。
毎年、5月5日は銭湯でも「菖蒲湯」、しかも、祝日ということで、
特別に、お昼から営業しており、菖蒲の葉がいっぱい大きなバケツに
用意してあって、家にお風呂がある人もその日は銭湯に来て、
その菖蒲の葉を入浴後、持ち帰るという、大らかな時代でありました。

確か、お菓子も貰ったような気がします。

その頃の菖蒲の匂いは、深い緑の芳しさでいっぱいでしたが、
今の菖蒲と言ったら、その頃の菖蒲とは勝負にならないほど(笑)、
香りが感じられないのです。全くしないと言っても良いでしょう。

想い出は香りと共にあると言っても良いほど、匂いは大事です。
その匂いを嗅げば、大抵の記憶が蘇るとも言います。

あの、手が切れそうにシャープな菖蒲の真っ直ぐに伸びた葉を
ふんだんに湯船に放ち、他人の子も自分の子と同じように
元気に真っ直ぐ育てと願ってくれた、当時の大人たちの温かさを、
こどもの日くらい噛みしめたいのに、菖蒲の葉の匂いがしないせいで
想い出まで薄れそうな…そんな気がして、少し寂しい私です。

でも、結構蘇って来ますけどね。「ぼたん湯」と言う名のお風呂屋さんでした。
下町の銭湯よりは広かった気がします。懐かしいなあ…

お風呂上りには、コーヒー牛乳か、パンピーオレンジをゴクゴク飲み、
小さな池のある庭の縁側で、鯉を見ながら涼み、
汗が引いたら着替え、バスグッズの入ったプラスチックの桶を抱えて、
さっぱりとした顔と足取りでぷらぷらと家路に着いたものでした。

ああ…紛れもなく、私は昭和の真っ只中に生まれたんだな~
菖蒲湯の匂いこそ、五月の昭和を代表する匂い、
汚れの無い子供の匂いと希望の匂いのような気がします。

さて、今日は、何年経っても色褪せない「クレヨンしんちゃん」の
泣ける絵たちをご紹介致します。

私も実は「しんちゃん」の大ファンでして、身近に血液型もO型で、
綺麗なお姉さんが好きで、面白くて…そして、何より正義感に熱く、
人情味があり、じっとしていられない性質という、
しんちゃんのモデルのような職人の親方がいるものですから、
アニメの中では1番親近感を覚えるキャラクターなのであります。

20年前にお会いした時は、本当にそっくりでした(笑)
ちなみに、私、声は「しんちゃん」そっくりに真似出来ますよ…


当時、人気が出た半面、PTAなどから、教育に良くない等と
批判を浴びたこともあった「クレヨンしんちゃん」でしたが、
こうして長い間続いて来たのは、物語の底辺、基本に、
しっかりとした「家族愛・人類愛・動物愛」というテーマが、
ブレずに根付いているからなのでしょう。

そして、「5歳児」という設定が、私は素晴らしいと思うのです。
何故なら、1番ピュアで、1番賢い年齢が「5歳児」だからです。
人格の基礎は、この年頃に創られると言っても過言ではないと思います。

そんな主人公に、愛情溢れる父と母と妹の家族…
ふざけているようですが(漫画ですから面白くて当たり前)、
このストーリーの環境は、しんちゃんの人格形成にはモッテコイの内容で、
同じ年代の家族を持つ方々にとっては、「子育て」の手本となるところも
多々あるのではないかと思うのです。

YouTubeに「名言集」もあるので、ご存じない方は、必見です。

どうでしょう?こどもの日の今日、全国を走り回って働いている(笑)
「クレヨンしんちゃん」の魅力に触れて頂くのもいいかな?と、思いまして
とりあえず、歌のワンポイントアドバイスの前に、ご紹介させて頂きました。


  臼井儀人先生追悼曲 <さよならありがとう> 小林幸子

私たちも、いつまでも「こどもの心」を失わない大人でいたいものです。

ただし、大人になり切れず、ダダをこねるような「子供のような大人」ではなく、
「しんちゃん」のように、「5歳児であっても大人」のようなしっかりとした考えと
愛情を持ち、ピュアな人格を備えた人間としての「大人」であることの上に、
「こどもの心」というものを、常に大切に祀っておきたいものですね。

さあ、菖蒲湯に入ってこようかな!想い出の香りが今年はするかしら?



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